アレルギーについて

アレルギーのイメージ写真

私たちには、外部から細菌やウイルスなどの危険な物質が侵入したときに、これらを排除し、感染症から体を守ろうとするとする機能が備わっています。
しかし、何らかの要因により、本来は排除すべきではない鶏卵や牛乳などの食べ物、スギの花粉などにも過激に反応し、必要以上にやっつけようとすることがあります。これがアレルギー反応です。

くしゃみや鼻水、鼻づまりが長期にわたって続いている方、春や秋にくしゃみ、眼のかゆみが見られる方は、アレルギー性鼻炎や花粉症かもしれません。
下記のような症状が見られたときは、お早めに耳鼻咽喉科までご相談ください。

アレルギーの主な症状

  • サラサラした鼻水が流れ出る
  • 鼻の奥がムズムズする
  • 鼻が詰まって息苦しい
  • くしゃみが止まらないときがある
  • 喉がイガイガする
  • 皮膚が痒い
  • 皮膚がかぶれている
  • 目が痒い
  • イライラする
  • 身体がだるい など

花粉症とは

花粉症は、スギやヒノキの花粉が鼻などから体内に侵入した際に、くしゃみや鼻水などの不快症状を引き起こすアレルギー疾患です。
そもそも花粉は異物には違いないのですが、通常は過激な反応を引き起こしません。
ところが花粉症になると、花粉を体外に出そうとして、くしゃみが出たり、鼻水が出たり、咳が出たりします。
また、目がかゆくなったり、鼻づまりなどによって頭痛が出ることもあります。

花粉症の原因となる植物は50種類以上に及びますが、日本ではスギ花粉症に悩んでおられる方が多く見られます。
スギ花粉は夏から秋にかけて作られるので、秋にもスギ花粉が少し飛んでいます。しかし、秋にはまだ雄花が開花していません。
年を越し、暖かくなると、雄花が開花し、花粉が一斉に飛び始めるため、愛知県の平野部の場合、2~4月ごろに花粉症の症状が強くみられます。

花粉症の初期療法

通常の病気は、具体的な症状が出るようになってから治療を開始します。
しかし、花粉症の場合、毎年、同じような時期に辛い症状が出ることが一般的なので、目のかゆみや鼻詰まりなどの症状が出現する前に初期治療を行うことが認められています。
花粉症の原因となる花粉が飛び始める2週間くらい前から花粉症予防の薬剤を使用することができますので、花粉症の季節に先立って医療機関を受診し、花粉症に備えておくようお勧めします。

初期療法を行ったからといって、花粉症に罹患しなくなる訳ではありませんが、症状を軽くしたり、症状の出る期間を短くしたり、花粉飛散のピーク時の薬剤投与量を減らす効果が期待されています。

花粉症の主な治療法

花粉症の治療では、原因となる花粉との接触を出来るだけ減らすことが大切です。
しかし、花粉は空気中に広く飛散していますので、花粉との接触を完全に断って日常生活を送ることは現実的ではありません。
そのため、薬物を用いた治療も併行していきます。

くしゃみや鼻水が主な症状のときは、第二世代抗ヒスタミン薬、化学伝達物質遊離抑制薬などの内服薬や点鼻薬が効果的です。
鼻づまりが主症状のケースでは、抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬が中心となります。
鼻づまりがひどいときは、点鼻用血管収縮薬、経口ステロイド薬を併用することもあります。
なお、ステロイド薬の注射は副作用が強く出ることがあるため、アレルギーの専門病院ではほとんど使われません。

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜に入ってきた花粉やハウスダストに過剰反応を起こしてしまう疾患です。
ハウスダストなどを体外に排除するため、くしゃみや鼻水、鼻づまり等の鼻炎症状が見られます。
風邪を引いたときにも同じような症状が見られますが、アレルギー性鼻炎の場合は1週間以上も症状が治まらず、不快な気分が続きます。

アレルギー性鼻炎を引き起こす原因物質は多岐にわたりますが、家の中のホコリやカビ、ノミ、ペットの毛などが代表的です。
アレルギー反応により、くしゃみなどが治まらなくなるケースも非常によく見られます。
現在の家は密閉性が高いため、部屋に住み着いたダニなどが増殖していることも少なくありません。
これらの微細な異物を吸い込むことで症状が悪化しますので、部屋の換気や掃除を心がけることが大切です。

アレルギー性鼻炎の主な治療法

アレルギー性鼻炎の治療にあたっては、アレルギーを引き起こしている原因物質との接触を出来るだけ減らすとともに、内服薬(抗ヒスタミン薬など)や点鼻薬(血管収縮薬、ステロイド薬など)、点眼薬(抗アレルギー薬など)によって症状を抑えるようにします。