耳鼻咽喉科について

耳鼻咽喉科のイメージ写真

耳鼻咽喉科は、耳と鼻、喉に発生する病気を中心として、必要な診断・治療を行なう専門診療科です。
このうち耳は、周囲の音を聞き取る感覚器であり、伝わってきた音を鼓膜で受け止め、耳小骨や蝸牛などを通じて聴覚情報を脳に届けています。
そのため、中耳炎になったり、蝸牛などが壊れると、耳の聞こえが悪くなり、QOL(生活の質)が低下します。
また、耳には体のバランスを保つ平衡器官としての機能もあります。

鼻は、空気を体内に取り入れ、肺へと送り届ける役割があります。
鼻腔の内側は粘膜で覆われているので、空気に含まれている小さな埃が取り除けられ、さらに程よい温度と湿度に調節することができます。
この働きにより、大気中に含まれている微小な埃やウイルスから体を守っているのです。
また、鼻の奥には匂いのセンサーとなる嗅粘膜があり、様々な外気の臭いをかぎ分けられます。

咽喉には、空気の通り道と、水や食物の通り道という2つの役割があります。
お口からは主に食物が取り込まれますが、激しい運動を行ったときや、風邪などで鼻腔が詰まっているときは、お口からも息を吸ったり吐いたりします。
その際に、食物は食道に送り込み、空気は気管へと振り分けていく役割を担っているのです。
また、のどには発声機能があります。肺から吐き出された呼気によって咽頭部の声帯を振動させ、咽頭や口蓋、鼻、鼻腔、舌、口唇などと連携して様々な音を出すことができるのです。

耳や鼻、のどが病気になると、痛みが生じたり、不快な症状が続きます。
疾患の中には感染力が極めて高いもの、命にかかわるものも含まれています。
気になる症状の見られたときは、お早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

当クリニックは耳鼻科のかかりつけ医です

当クリニックは、あま市近郊にお住まい・お勤めの皆さまにとって、頼りになる耳鼻咽喉科のかかりつけ医でありたいと考えております。
耳鼻咽喉科は非常に専門性が高い領域です。日本耳鼻咽喉科学会の認定専門医が患者さまの耳や鼻の症状を調べ、適切な治療を行なっていきますので、耳鼻科に関することでしたら、何でもご相談ください。

なお、当クリニックでの検査の結果、専門病院での入院治療などが必要となった際には、当クリニックと提携する専門の医療機関をご紹介いたします。

このような症状の方はご相談を

耳の主な症状

  • 耳に痛みがある
  • 耳の中が痒い
  • 耳垂れが出てきた
  • 耳が詰まった感じがする
  • 耳鳴りがする
  • 周囲の音がよく聴こえない

鼻の主な症状

  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり
  • 鼻の奥がムズムズする
  • 鼻の中や頬が痛い
  • 鼻血がよく出てくる
  • 匂いがよく分からない

喉の主な症状

  • 喉が痛い
  • 喉がイガイガする
  • 喉が腫れている
  • 咳が続く
  • 食べ物を飲み込むときに喉が痛む
  • 呼吸が苦しい
  • 呼吸時に異音がする
  • 声がかすれてきた
  • いびきが漏れる

めまい

  • グルグルと目が回る
  • 目の前が暗くなる
  • フラフラする

耳鼻咽喉科の主な対象疾患

  • 中耳炎(急性・慢性)
  • 外耳炎
  • 難聴
  • めまい
  • 鼻出血
  • 嗅覚障害
  • 副鼻腔炎
  • 扁桃炎
  • 声帯ポリープ など

中耳炎(急性・慢性)

耳は外耳、中耳、内耳に分けられますが、このうち中耳に炎症が起こる病気を総称して「中耳炎」と呼びます。
乳幼児や学齢期のお子様をはじめとして、非常によく見られるため、耳の病気と言ったらまず中耳炎を思い浮かべる方も多いと思います。
鼻やのどから耳管を通じて侵入した細菌・ウイルスが中耳腔の中で増殖すると、耳の奥が痛くなったり、頭がジンジンしたりし、不快な気分に陥ります。
これが急性中耳炎です。中耳に膿が溜まり、耳の閉塞感、発熱、耳だれなどの症状を伴うこともあります。

中耳炎は、だれでも起こりうるのですが、特に小児期の場合、耳管が水平に近く、太くて短い構造となっているため、風邪をひいたときなどに鼻やのどの奥の菌が中耳に入り込んでしまい、急性中耳炎を併発するケースがよくあります。
乳児などは、耳の痛みを言葉でうまく伝えられないので、大泣きしたり、しきりに耳に手をやったりします。
このような異変に気付いたときは、耳の疾患が疑われますので、お早めに耳鼻科を受診するようにして下さい。

治療に関しては、抗生剤や消炎剤を用いて症状の改善を目指します。
中耳に膿が溜まっているときは、鼓膜を少しだけ切開し、膿汁を外に排出させます。これにより、痛みや不快感が徐々に治まります。
なお、鼓膜は再生力がありますので、暫くすると殆どの場合、元通りに回復します。

なお、長年にわたって中耳炎を繰り返していると、慢性中耳炎を引き起こすことがあります。
慢性化すると、通常は痛みや発熱があまり見られなくなります。
しかし、長期間の炎症のため外部の音がきちんと伝わらず、難聴のリスクが高まっていきます。
また、耳の奥に菌が入り込みやすいため、耳垂れを繰り返しがちです。
鼓膜や皮膚の一部が奥の方へ入り込み、真珠腫という塊が出来て骨を壊してしまい、専門病院での手術が必要になることもあります。

外耳炎

外耳炎は、耳の入り口から鼓膜の外側までの部位に炎症が発生する病気です。
耳かきなどの際に外耳道の皮膚を傷つけてしまい、そこから細菌が侵入して発症するケースが多く見られます。
外耳炎になると、外耳部に痛みや痒み、灼熱感、耳だれ、耳鳴りなどの症状が出現します。
炎症がひどくなると聴力が低下しますので注意が必要です。
また、糖尿病や白血病の方の場合、細菌が頭蓋内にまで入り込んで悪性外耳道炎となるケースもあります。

通常、放置していても自然に治癒しますが、かゆみを伴うことも多いため、不必要な耳かきをしてしまい、外耳炎が治りにくくなることがあります。
まずは耳鼻咽喉科を受診し、必要な検査を受けたうえで抗生物質を塗布します。
痛みが激しいときは、鎮痛剤なども用いられます。

難聴

難聴は、周囲の音が聞こえなかったり、人の話をきちんと聴き取れなくなる病気です。
難聴の程度や原因によっては、日常生活に大きな支障をきたしかねないので、聞こえ方に変調をきたしたときは、お早めに耳鼻科を受診し、早期治療につなげることが大切です。

難聴には老人性難聴や突発性難聴など様々な種類があり、その原因によって治療法も異なってきます。
このうち老人性難聴は、加齢に伴って聴覚に関わる細胞が減少することによって起こる聴力の低下状態です。
個人差はありますが、聴力は30歳ごろから落ち始め、50歳を過ぎる頃から聞こえにくさを自覚するようになり、周囲の声などを聞き取る事が徐々に難しくなっていきます。
特に、高音域が聞こえにくくなったり、早口な人との会話が辛くなったりします。

耳が聞こえにくくなると、周囲の人とのコミュニケーションに時間を要するようになるため、段々と外出を控え、日常の活動が低下しやすくなります。
そのため、補聴器をつけている方も多いのですが、その際には耳鼻咽喉科でまず検査を行い、適切な補聴器を選択することが大切です。

突発性難聴は、文字通り突発的に耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまい、吐き気などの症状が現れる疾患です。
40~50歳の方に多く見られますが、小児や高齢者で罹患するケースもあります。
突発性難聴となる原因は、いまだに解明されていませんが、ストレスや疲労、ウイルス感染、内耳の血流不足などが一因ではないかと考えられています。
治療に関しては、早期に開始するほど聴力が回復する可能性が高くなるので、出来るだけ早く耳鼻咽喉科を受診するようにして下さい。
具体的には、入院して心身の疲労を避け、ステロイド薬の点滴などを行います。

めまい

患者さまが医療機関を受診し、「めまいで悩んでいる」とうったえることも多いのですが、ここで言うめまいの感覚は人によっても異なります。
一応は「空間における身体に関する見当識障害の自覚」、「外界を正しく認知できないときの感覚や失調動作」と定義されています。
しかし、実際にどのような状態にあるのかは幅が見られるため、様々な検査を通じて原因を特定していきます。

めまいを誘発している原因としては、ストレス、過労、感染症、低血圧などがありますので、これらの改善に努めます。
めまい発作が起こったときは、しばらく安静にします。
強い頭痛や意識消失がないのならば、特に緊急を要する疾患は潜んでいないと考えられますので、慌てずに気を落ち着けることが大切です。

めまいが治まったら、早めに医療機関を受診するようにします。
治療内容としては、抗めまい薬、循環改善薬、浸透圧利尿薬、漢方薬などを症状に応じて使用し、再発防止に努めます。
メニエール病、外リンパ瘻、聴神経腫瘍などの場合は手術を検討します。

鼻出血

鼻出血は、文字通り鼻の穴から血が出ている状態です。
日常的に見られることもあるため、特に気にされていない方も多いようですが、重篤な病気が潜んでいることもあるので注意が必要です。
最も多くみられるのは、鼻の穴の汚れを指などで取り除こうとしたり、風邪で鼻水を強くかんだりしたときに、鼻の入り口付近にある血管を傷つけてしまうケースです。
この場合、細菌感染などで炎症を起こさないよう注意すべきですが、通常はしばらく鼻を圧迫することで止血され、治癒します。

しかし、鼻出血の原因はそれだけではありません。
上顎がんによって起こることもありますし、白血病、肝硬変、腎不全によって出血しやすい状態が続いていることもあります。
鼻出血が頻発するときは、何らかの原因疾患が潜んでいる可能性がありますので、一度、耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。

嗅覚障害

まず、風邪をひいたときなどは、においを上手く感じることができません。この場合は、風邪が治るにつれて嗅覚も回復していきます。
しかし、鼻づまりなどの要因がないにも関わらず、においがよく分からなくなってしまうことがあります。これが嗅覚障害です。

鼻腔に入ってきたにおい成分は、鼻中隔と中鼻甲介の間にある鼻粘膜を通じて嗅細胞に伝わり、その刺激が脳へと届けられるわけですが、この伝達が上手くいかないと臭覚障害が起こります。
治療に関しては、それぞれの症例によって異なりますが、主に嗅覚障害の原因を除去し、症状の改善を目指します。
原因疾患として慢性副鼻腔炎、鼻づまり、アレルギー性鼻炎などがあるならば、それらの治療を進めるのです。

また、炎症やウイルスによって嗅粘膜に障害が起こっているときは、ステロイド薬を用いた点鼻療法、神経を活性化させるビタミンB剤の内服が中心となります。
薬物療法で十分ン改善が見られないときは、炎症を起こしている粘膜を内視鏡を用いて取り除く手術療法を行うこともあります。

副鼻腔炎

副鼻腔炎は、鼻の副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞)という場所に細菌やウイルスが侵入して炎症が起こり、膿などが生じる病気です。
風邪などをひいた際に、発熱やのどの痛みが治まるころに出現するケースがよく見られます。
具体的な症状としては、鼻が詰まる、黄色くネバネバした鼻水が頻繁に出てくる、鼻呼吸が出来ずに口で呼吸するようになる、においが分からなくなる、頭痛、目痛などです。

治療にあたっては、主に抗菌薬や消炎薬、膿の排出を促進する薬などを用い、症状の悪化を食い止めるとともに、治癒を目指します。
抗生剤の入ったネブライザー吸入を行い、副鼻腔の換気と排泄を促すこともあります。
このような治療でも効果が見られないときは、手術を行なうこともあります。

扁桃炎

扁桃炎は、主に口蓋垂の左右にある口蓋扁桃が炎症を引き起こす疾患です。のどの奥が赤く腫れ上がり、高熱や寒気、頭痛、関節痛などが出現します。
喉がイガイガして苦しくなり、喉の強い痛みが起こるため、生活の質が低下します。

治療に関しては、扁桃炎を引き起こしている原因によって異なります。
ウイルス性の場合は、風邪を引いたときと同じような治療を行ないます。
細菌性の場合は、抗菌薬や消炎鎮痛薬、うがい薬などを処方します。
これにより、通常は1週間程度で症状が落ち着きます。但し、薬物療法を続けても目立った効果が現われないときは、扁桃を切除することもあります。

声帯ポリープ

喉頭にある声帯という器官にこぶ状の良性腫瘍が出来る疾患です。
これにより、声がかれたり、のどに痛みが生じたり、思い通りの声が出せなくなります。
声楽家や教師など、日常的に大きな声を出す職業の方に多く見られます。
声帯の周囲の粘膜が弱っているときに喉を酷使したり、肺炎などで声帯周囲の粘膜が傷つけられると、粘膜にポリープが発生しやすくなるので、注意が必要です。

なお、ポリープと同じように見える腫瘍であっても、実際はがんであるケースもありますので、のどに違和感を覚えた方は、早めに耳鼻咽喉科を受診し、必要な検査を受けることをお勧めいたします。

治療に関しては、通常、顕微鏡を見ながらポリープを取り除く手術が行われます。
この手術後、数日間は声を出すことが出来ませんが、徐々にのどの違和感が解消し、元通りの状態に戻ります。